※2023年8月9日10時48分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – IGCSによるアップデート



ユーロは先月中旬以降、短期的な下落トレンドが続いており、7月の高値から約2.7%低い水準で推移している。この間、個人トレーダーはユーロ/ドルの買い持ちを増やしている。個人トレーダーのポジション状況はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは通常、逆張り指標として機能するが、トレンド相場では特にその傾向が強まる。この点を考慮すると、ユーロはさらに下落するリスクがありそうだ。
ユーロ/ドルのセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、ユーロ/ドルを取引する個人トレーダーの約58%がネットロング(ユーロを買い持ち)にしている。半数以上のトレーダーが買い持ちであるため、この先も価格が下落し続ける可能性がある。ネットロングのポジションを昨日と先週で比較しても、買い持ちはそれぞれ21.3%、16.07%増加している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、ユーロ/ドルの逆張り取引バイアスはさらに弱気に傾いていると考えられる。
ユーロ 日足チャート
日足チャートで見ると、ユーロ/ドルは先週、強気なローソク足パターンである明けの明星が示現したが、その後、さらに上げ幅を拡大する展開には至っていないようだ。そのため、短期的な弱気バイアスが強まっている。とはいえ、価格は100日移動平均線を割り込まずに持ち堪えており、より広範な強気バイアスは維持している。
100日移動平均線の下方ブレイクが確認されれば、6月下旬の安値1.0834に向かって下げピッチが速まるかもしれない。さらにこの安値を下抜ければ、5月の安値1.0635が意識され、弱気テクニカルバイアスは強まるだろう。一方、上昇に転じた場合は、フィボナッチ・エクステンション23.6%の水準1.1003に注視されたい。この水準を上方ブレイクした場合、38.2%の水準1.1231を再び試す展開になる可能性がある。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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