※2023年6月6日14時38分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、フィボナッチ、モメンタム、デッドクロス、ローソク足 – トーキングポイント
- ユーロ/ドルは下値模索の展開となったが、今のところ足踏み状態
- 上昇トレンドは崩れたものの、再開する可能性がある
- ユーロ/ドルの見通しには、強気と弱気の両方がある。どちらが優勢になるか?



ユーロ/ドルのテクニカル分析
ユーロ/ドルは、先週10週間ぶりに付けた安値1.0635から回復している。同安値は、1.0516から1.1096への動きのフィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準1.0640を僅かに下回る水準である。
この回復の動きにより、1.0635-1.0640付近がサポートゾーンとなる可能性があり、その後は過去の安値1.0525、1.0516、1.0483、1.0443が控えている。
長期の200日および260日単純移動平均線(SMA)は、1.0443-1.0525の安値圏に位置しており、サポートとして機能する可能性がある。
昨年9月から11月にかけて形成された安値圏をベースとしたトレンドラインを下方ブレイクして以降、価格は10日、21日、34日、55日および100日SMAを下回る水準を維持している。
これは、短中期的な弱気のモメンタムが維持されている可能性を示唆している。一方、価格は200日および260日SMAを上回った状態を維持しており、基本的な長期の強気トレンドはまだ崩れていないことを示している。
トレンドラインを上方ブレイクすれば、上昇トレンドが復活する可能性がある。同ラインは現在、1.0875付近の34日SMAと重なっている。34日SMAは55日SMAを下方ブレイクし、デッドクロスが示現している。
同様に、21日SMAも100日SMAを下回り、デッドクロスが形成されている。デッドクロスは、弱気トレンドの進展を示す兆候になり得る。



ユーロ/ドルは4月と5月に1.1075-1.1095エリアに一連の高値を付け、これがレジスタンスゾーンとなる可能性がある。長期的な視点からは、これらの水準をきれいに上抜ければ、上昇トレンドの再開が確認されるかもしれない。
先月は価格下落により谷が形成され、ダブルトップのチャートパターンが形成された。これら一連の高値は、ダブルトップ示現後に現れやすい値動きにより形成された。過去の実績が将来の結果を必ずしも示唆するものではないことに留意する必要があるが、谷部分であるネックラインは1.0942にあり、レジスタンスとして機能する可能性がある。
5日の値動きでは、ローソク足パターンのコマが示現した。コマは、ユーロ/ドルの方向性に対する市場の迷いを示しているかもしれず、レンジ相場となる可能性が出てきている。
このように、ユーロ/ドルには現在のところ、様々なシグナルが存在している。いつも通り、健全なリスク管理は取引の基本である。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。