ドル、ユーロ、ユーロ/ドル - テクニカル分析見通し
- ユーロ/ドルは、強力なレジスタンスに直面しているため、下落する可能性がある
- ユーロの先行き見通しは概して下向きのまま
- 注目すべき重要な水準とは?



ユーロ/ドルのテクニカル分析見通し - 中立
ユーロはかなり強いレジスタンスに直面しており、ドルに対する最近の上昇が少なくとも一時的に止まりそうだ。
ユーロ/ドルは、200日移動平均線、8月の高値1.0370、2017年1月の安値1.0340が収束した強力なレジスタンスを試す展開となっている。価格が最後にこの長期移動平均線を上回ったのは2021年半ばであるため、これを決定的に上抜ければ、短期的な視点にとどまらず、強気な展開となるだろう。
ユーロ/ドル 日足チャート

資料:TradingView
200日移動平均線を突破すると、中期的な弱気の見通しが転換していることが示唆される。上抜けが決定的になれば、1.0615(2021年から2022年にかけての下落局面を基にしたリトレースメント38.2%の水準)に向かって上昇する可能性がある。日中や日足など、より短い時間軸のチャート上のモメンタムは依然としてポジティブであり、相場下落が差し迫っていないことを示唆している。
しかし、週足や月足など、より長い期間のチャートにおけるトレンドとモメンタムは、ユーロ安方向に向いている。したがって、今後数週間は引き続き、横ばいまたは下降と予想するのが妥当だろう。この点から、1.0250-1.0300付近の当面のサポートが重要な焦点となる。これを割り込むと、10月下旬の高値1.0090の強力なサポートに近い水準である1.0120に向かって下降する可能性がある。ユーロ/ドルが短期的な上昇基調を維持するためには、1.0090を上回る水準で推移する必要がある。
ユーロ/ドル 月足チャート

資料:TradingView
ユーロ/ドルの中期的なトレンドは下向きである。今年、ユーロがドルに対し、2015年を始点とする、やや上向きのトレンドラインを割り込んだことは、大局的な観点から見ると、引き続き弱気であることを示している。7年間続いた横ばいレンジをブレイクアウトした後の価格目標は0.8900前後と見ている。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著