NYダウ、S&P 500、FRB、個人トレーダーの持ち高、テクニカル分析 - IGCS の米国株アップデート



ダウ工業株30種平均とS&P 500種株価指数が今週に入り、6月中旬以降で最悪の週となりそうなことから、米国株式市場ではボラティリティが再び高まりそうな気配である。この現象の一部は、市場が2023年の米連邦準備制度理事会(FRB)の「政策転換」について再考していることに起因している。ただ、トレーダーが考え直しているのはそれだけではない。
IGクライアントセンチメント(IGCS)を見てみると、個人トレーダーは米国株下落時に買い持ちを増やしているようである。IGCSは逆張り指標として機能する傾向があることを考慮すると、この方向性のままでは、株式市場はさらに下落するのではないだろうか?
NYダウのセンチメント見通し - 弱気
IGCSの指標によると、ダウ工業株30種平均を取引する個人トレーダーの約40%がネットロング(買い持ち)している。ほとんどのトレーダーはまだショートで保有しているため、株価上昇が継続する可能性を示唆しているように見える。しかし、ロングの持ち高は昨日と先週に比べ、それぞれ8.2%と60.98%増加している。このことを鑑みると、最近のセンチメントの変化は、ダウ平均がまもなく反落する可能性を示唆しているように思われる。

NYダウ 日足チャート
ダウ平均先物は、年初からレジスタンスとなっていたエリアの下方付近で下落に転じた後、20日単純移動平均線(SMA)を完全に下回ってブレイクアウトした。これにより、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準32,486に意識が向けられそうである。その後は50日SMAがサポートとして維持される可能性があるが、このサポートを割り込むと、さらに下げ幅を拡大する可能性がある。




資料:Trading View
S&P 500のセンチメント見通し - 弱気
IGCSの指標によると、S&P 500種指数を取引する個人トレーダーの約40%がネットロング(買い持ち)している。大半のトレーダーはまだショートで保有しているため、株価上昇が継続する可能性を示唆しているように見える。ただ、ダウ平均と同様、ここでもロングの持ち高は昨日と先週に比べ、それぞれ6.57%と25.10%増加している。これらの変化は、S&P 500種指数が今後、反落する可能性を警告していると言えるだろう。

S&P 500日足チャート
S&P 500種指数先物は、1月から続く下降トレンドラインを前に下落に転じると、続いて20日SMAも割り込んだ。これにより、さらなる下落が意識され、次の下値サポートとして現在はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4,064に焦点が当てられている。下落が続けば、次は50日SMAが焦点となり、この水準は維持される可能性がある。とはいえ、下落トレンドが再開される場合は、リトレースメント61.8%の水準3,902が視野に入ってこよう。




資料:Trading View
* IGクライアントセンチメントチャートとポジショニングデータは8月23日付レポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。