NYダウ、S&P 500、個人トレーダーのポジショニング、テクニカル分析 – IGCSによる米国株最新情報



先週の米国株式市場では、2023年の米連邦準備制度理事会(FRB)による政策転換への期待が後退し、ボラティリティが上昇する場面が見られた。これにより、投資家はダウ工業株30種平均とS&P 500種株価指数の持ち高を変更した。投資家は株式の売りから一変、買いを大幅に増やしたのだ。その結果、IGクライアントセンチメント(IGCS)の最新情報からは、相場はこの先、さらに下落する可能性があるとの警告が読み取れる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向があり、先週の見通しは的中した。今後、ボラティリティは上昇し続けるのだろうか?
NYダウ センチメント見通し - 弱気
IGCSの指標によると、ダウ工業株30種平均を取引する個人トレーダーの約53%がネットロング(NYダウを買い持ち)している。ほとんどのトレーダーが指数の上昇にバイアスをかけているということは、指数の下落が続く可能性を示唆している。ネットロングのポジションは、昨日と先週に比べ、それぞれ1.59%と22.28%増加している。このことを念頭に、現在のセンチメントと最近の持ち高の変化を鑑みると、弱気の逆張り取引バイアスがより強まっていると考えられる。

NYダウ 日足チャート
ダウ平均先物は、今年初めから続く下降トレンドラインのレジスタンスを試す展開が続いた後、下げ幅を拡大している。30日には50日単純移動平均線(SMA)を割り込んで取引を終了した。現時点ではブレイクの確証に欠けるが、下落が続けば、さらなる地合いの脆弱化が示唆される可能性がある。その場合、6月の安値水準(29,639 – 29,869)がサポートの焦点となろう。一方、当面のレジスタンスは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準32,486と見られる。




資料:Trading View
S&P 500 センチメント見通し - 弱気
IGCSの指標によると、S&P 500種株価指数を取引する個人トレーダーの約44%がネットロング(S&P 500を買い持ち)している。ほとんどのトレーダーはまだショートにしているため、これは指数が上昇する可能性を示唆している。しかし、ネットロングのポジションは昨日と先週に比べ、それぞれ4.06%と5.73%増加している。このことを念頭に、最近のセンチメントの変化を鑑みると、S&P 500 指数は下降し続ける可能性がある。

S&P 500日足チャート
ダウ平均先物と同様に、S&P 500先物も50日SMAを下回って引けている。これは、1月からの下降トレンドライン近辺で下落に転じた流れを引き継いでいる。SMAの下抜けが確認されれば、さらに下げ幅を拡大する可能性がある。当面の下値サポートは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準3,902になると見られる。下落局面が続けば、6月の安値3,639も視野に入ってくるだろう。一方、4,064は注視しておきたい。これはリトレースメント38.2%の水準であり、当面のレジスタンスとなりそうである。




資料:Trading View
* IGクライアントセンチメントチャートとポジショニングデータは8月30日付レポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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