※2023年7月27日10時37分更新
NYダウ、S&P 500、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによる米国株アップデート



米連邦準備制度理事会(FRB)は26日、0.25%の利上げを決定したが、米国株式は比較的無傷で済んだ。市場は9月の利上げ見送りをほぼ織り込んでおり、政策当局者は経済指標を重視したアプローチをとるとしている。これを受け、個人トレーダーはダウ工業株30種平均とS&P 500種株価指数の売り持ちを拡大した。個人トレーダーの動向はIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向がある点を考慮すると、米国株はさらに上値追いの展開になるのだろうか?
NYダウのセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、ダウ平均を取引する個人トレーダーの約19%がネットロング(ダウ平均を買い持ち)にしている。大半のトレーダーが売り持ちであることから、株価は上昇し続ける可能性が示唆されている。ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、4.02%、22.81%それぞれ増加している。このように現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、ダウ平均の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。
NYダウのテクニカル分析
ダウ平均は2022年2月の高値35,752のすぐ下に位置しており、この高値が当面のレジスタンスとなっている。このポイントをクリアすると、史上最高値が視野に入り、36,446-36,832間にレジスタンスゾーンが形成される。下降に転じた場合は、20日移動平均線(MA)を守れるかが焦点となる。これがサポートとして機能すれば、上昇バイアスが維持されよう。
資料:TradingView
S&P 500のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、S&P 500種指数を取引する個人トレーダーの約29%がネットロング(S&P 500種指数を買い持ち)にしている。大半のトレーダーが依然として売り持ちに傾いていることから、価格は上昇し続ける可能性がある。ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、0.55%、2.55%それぞれ増加している。このように現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、S&P 500種指数の逆張り取引バイアスはさらに強気に傾いていると考えられる。



S&P 500のテクニカル分析
S&P 500種指数は、2022年3月に付けたいくつかの高値で構成される4,586-4,631の重要なレジスタンスゾーンまで上昇している。しかし、RSI(相対力指数)では弱気のダイバージェンスが示現している。これは上昇の勢いが弱まりつつあることを示しており、下降に転じるシグナルにもなり得る。下降に転じた場合は、20日MAを維持できるかが焦点となる。20日MAを突破し、上昇に向かう場合は、フィボナッチ・エクステンション水準の中間点4,695が意識されよう。
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。