※2023年8月4日10時37分更新
NYダウ、S&P 500、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによる米国株アップデート



ダウ工業株30種平均とS&P 500種株価指数はここ数日、じり安となっている。これ受け、個人トレーダーは逆張りトレード(相場の下落局面で買う)を増やし始めている。トレーダーのポジション状況はIGクライアント・センチメント(IGCS)で確認できる。IGCSは逆張り指標として機能する傾向があることを念頭に置くと、最近のポジションの変動は、米国株がさらに下落する可能性を示唆しているのだろうか。
NYダウのセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、ダウ平均をネットロング(買い持ち)にしている個人トレーダーは約27%に過ぎない。大半のトレーダーがネットショートに傾いていることから、この先も株価は上昇し続ける可能性がある。しかし、ネットロングのポジションを昨日と先週で比較すると、7.14%、8.65%それぞれ増加している。このような最近の変動(日次、週次でのポジション変化)は、ダウ平均がさらに下げを拡大する可能性を示唆している。
NYダウのテクニカル分析
日足チャートでは、ダウ平均は2022年2月の高値25,752を上抜けられず、下げが続きそうに見受けられる。また、RSI(相対力指数)では弱気のダイバージェンスが示現しており、上昇の勢いが弱まっている。当面のサポートは20日移動平均線(MA)で、これを割り込むと昨年10月からの上昇トレンドライン(サポート)が意識されよう。
資料:TradingView
S&P 500のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、S&P 500種指数を取引する個人トレーダーの約36%がネットロング(S&P 500を買い持ち)にしている。大半のトレーダーが売り持ちに傾いているため、この先も価格が上昇し続ける可能性を示唆している。しかし、ネットロングのポジションを昨日と先週で比較すると、9.42%、23.19%それぞれ増加している。全体的なポジション状況は売り持ち優勢でも、このような日次、週次でのポジション変化は、S&P 500種指数が間もなく下落トレンドに転じる可能性を示唆している。



S&P 500のテクニカル分析
資料:TradingView
4日の米国株式市場でS&P 500種指数は3日続落し、約1.5%下落した。下落率は3月上旬以来最大となった。価格は20日移動平均線も割り込み、下方ブレイクが確認された。これにより当面のサポートは、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準であり、50日移動平均線も位置する4,446となる。この水準を下回れば、テクニカルバイアスはさらに弱気に傾くだろう。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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