※2023年5月16日11時34分更新
NYダウ、S&P 500、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによる米国株アップデート
- 個人トレーダーは最近、米国株の買い持ちを増やした
- これは、NYダウとS&P 500の下落を示唆しているのか?
- NYダウは重要な上昇トレンドラインに直面し、S&P 500はアセンディングトライアングルが示現



ダウ工業株30種平均株価とS&P 500種株価指数は、昨年末以降、概ねレンジ相場が続いている。値動きが安定している一方で、個人トレーダーのポジション状況には変化が見られる。これは、IGクライアントセンチメント(IGCS)を見れば分かる。IGCSは時に逆張り指標として機能することがある。このことを念頭に置きながら、次に何が起こるかを詳しく見てみたい。
NYダウのセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、ダウ平均を取引する個人トレーダーの約49%がネットロング(ダウ平均を買い持ち)にしている。ネットショートのトレーダーの方が多いため、指数は上昇し続ける可能性がある。しかし、ネットロングのポジションは昨日、先週に比べ、それぞれ約11%、52%増加している。このように、最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)は、指数がまもなく下落に転じる可能性を示唆している。
NYダウのテクニカル分析
日足チャートでは、4月下旬に流れ星のローソク足パターンが示現して以来、ダウ平均は小幅ながら下降が続いている。現在、相場は3月からの短期上昇トレンドラインに直面している。このラインを下抜けると、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準32,709を目指し、下げ幅を拡大する可能性がある。一方、上昇局面では、23.6%の水準33,672が主要なレジスタンスとなる。
資料:Trading View
S&P 500のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、S&P500種指数を取引する個人トレーダーの約37%がネットロング(S&P500を買い持ち)にしている。ほとんどのトレーダーが下降バイアスをかけている(ネットショートが多い)ため、指数は上昇し続ける可能性がある。一方、ネットロングのポジションは、昨日、先週に比べ、それぞれ約2%、4%増加した。このように、全体のポジション状況はネットショートに傾いているものの、直近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、指数がまもなく下降に転じる可能性を示唆している。



S&P 500のテクニカル分析
S&P 500種指数は、アセンディングトライアングルのチャートパターン内で取引を続けているが、トライアングルの底辺が徐々に近づいてきている。ブレイクアウトの方向性は、今後のトレンドを見極めるうえでカギとなるかもしれない。下降に転じた場合、フィボナッチ・エクステンション23.6%の水準4,005が意識される。一方、上方にブレイクアウトする場合は、昨年8月の高値4,327を再び試す展開となる可能性が開かれる。
資料:Trading View
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。