※2023年8月23日11時19分更新
原油、WTI、ヘッドアンドショルダー - テクニカル分析によるアップデート
- 原油価格は下げを拡大する準備が整う可能性がある
- 日足チャートでは広範な強気バイアスを維持
- しかし、4時間足チャートでは弱気のヘッドアンドショルダーに注目



日足チャート
米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は、特に4時間足チャートにおいて、最近のテクニカル面での進展を背景に下げを拡大する準備が整う可能性がある。当面は日足チャートに注目されたい。原油価格は現在、2週続落となりそうな勢いだが、5月以降のWTIの値動きを考えると、かなり異例と言える。これはテクニカル面で上昇に勢いがなくなってきたシグナルなのだろうか?
WTIはここ数日、6月からの上昇トレンドラインの下方ブレイクが確認された後、78.99付近に新たなサポートが形成された。この前には、弱気なローソク足チャートパターンである陰の包み足(抱き線)も示現している。一方、レジスタンスは81.56付近に確立された。現在の価格の下では、50日移動平均線が100日移動平均線を上回る強気のゴールデンクロスが示現している。
まとめると、目先のテクニカル見通しは弱気だが、より長期のバイアスは引き続き上向きである。しかし、今後さらに弱気な値動きが続く兆候も見られる。
資料:TradingView
4時間足チャート
下図の4時間足チャートを見ると、弱気のチャートパターンであるヘッドアンドショルダー(三尊天井)の輪郭が見えてくる。最近、右肩の頂点が81.69付近で形成された。ネックラインは79.02近辺のようだ。
ヘッドアンドショルダーはトレンド転換を示唆するシグナルと言われており、価格は現在、その弱気なチャートパターン内に位置している。下方へのブレイクアウトが確認されれば、下げ幅を拡大する可能性が開かれる。その場合、77.30の変曲点を維持できるかが焦点となり、その後は7月17日の安値73.81が視野に入るだろう。
一方、右肩を上抜ければ、8月10日の高値84.85を再び試す可能性がある。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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