※2023年7月12日11時24分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート



米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は11日、米国時間で2.2%上昇し、先週末から上昇幅を拡大した。11日の終値は5月初旬以来の高値となり、WTIは7月に入ってから約6.2%上昇している。今月末までこの上昇が維持されれば、7月のWTIは8.4%上昇した昨年10月以来最大の上昇率となる。
直近の上昇で、WTIは74.68-76.28の変曲点エリア(下図参照)まで値を上げた。レジスタンスが上値を抑えれば、6月28日からの短期上昇トレンドラインに向かって価格は下降する可能性がある。この上昇トレンドラインの下方ブレイクを確認すると、66.86のサポートを維持できるかが焦点となり、その下には重要なゾーンである63.60-65.72も控えている。
上昇局面では、変曲点を上抜けして上値レジスタンス76.28を上回ると、長期200日単純移動平均線(SMA)が意識されよう。このSMAは重要なレジスタンスとして機能し、上値を抑える可能性がある。一方、上げ幅を拡大すれば、4月に強化されたレジスタンスゾーン81.44-83.48を再び試すことになるだろう。



原油 日足チャート
資料:Trading View
原油のセンチメント見通し - 強気
IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、原油を取引する個人トレーダーの約59%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。IGCSは通常、逆張り指標として機能する傾向がある。トレーダーのポジションは依然として買い持ちに偏っているため、この先、価格は下落する可能性がある。とはいえ、最近では、昨日、先週に比べ、ネットショートのポジションが14.56%、54.41%それぞれ増加している。全体的なポジション状況にもかかわらず、こうした最近の変動は、価格トレンドが間もなく上昇に転ずる可能性を示唆している。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。