※2023年7月25日10時53分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
- 原油価格は今月に入ってから12%超上昇している
- この上昇を維持すれば、月間上昇率は過去18カ月で最大に
- 日足チャートでは、WTIが200日移動平均線を上方ブレイク
- 一方、個人トレーダーは弱気姿勢を強めている



週明け24日の米原油先物指標ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は約2.8%上昇し、1日の上昇率としては6月13日以来最大となった。WTIは今月に入ってから12%も上昇している。この勢いが持続すれば、WTIの月間上昇率は2022年1月以来、1年半ぶりの高水準となる。
では、テクニカル面はどうなっているだろうか。24日の最も顕著な動きは、原油価格が200日移動平均線(MA)を上方ブレイクしたことだ。WTIがこのMAを上回ったのは、2022年8月以来である。終値では上回っていないためブレイクアウトの確認には至っていないものの、ここからさらに上昇すれば、原油にとって意味のあるトレンド転換になり得る。
とはいえ、長期的な上昇を実現するためには、81.44-83.48のレジスタンスゾーンを超えられるかどうかが最も重要である。ここからさらに上昇したとしても、WTIがこのゾーンを突破できなければ、63.60-65.72付近を下限とするレンジ相場にとどまるかもしれない。
原油相場を上昇に導いているのは、6月末からの短期上昇トレンドラインである。下降に転じた場合は、このラインが重要なサポートとなる可能性がある。逆にこのラインを下回り、74.68-76.28の変曲ゾーンを割り込んで下落すると、前述したレンジ相場の下限ラインが意識される展開となろう。
原油相場 日足チャート
資料:TradingView
原油相場のセンチメント見通し - 強気
IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、原油を取引する個人トレーダーの約50.07%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。IGCSは通常、逆張り指標として機能する傾向がある。この点を考慮すると、個人トレーダーのポジションが弱気に傾き続ければ、強気のテクニカルバイアスが強まる可能性がある。
この考えを裏付ける証拠はいくつかある。ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、23.19%、46.19%それぞれ増加している。このように、最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、原油相場の上向きトレンドは間もなくさらに強まると考えられる。



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。