※2023年8月15日11時27分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート



米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)はここ数日、じり安の展開となっている。6月以降の上昇トレンドは維持されているものの、個人トレーダーは早くも原油に対して強気の姿勢を見せ始めているようだ。これについては、IGクライアントセンチメント(IGCS)を見れば確認できる。IGCSは通常、逆張り指標として機能する傾向がある。短期的にこのようなポジション傾向が続けば、原油価格はリスクにさらされる可能性がある。
原油相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、原油を取引する個人トレーダーの約43%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。半数以上のトレーダーがネットショートを継続しているため、この先も価格は上昇し続ける可能性がある。しかし、ネットショートのポジションを昨日と先週で比較すると、0.06%、10.67%それぞれ減少している。現在のセンチメント(ポジション状況)は強気に傾いてはいるものの、最近の変動(日次、週次でのポジション変化)を考慮すると、原油価格のトレンドはまもなく弱気に転じるかもしれない。
テクニカル分析入門
市場センチメント
推薦者: Daniel Dubrovsky
下図の日足チャートを見ると、米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は弱気のチャートパターンである陰の包み足(抱き線)が示現している。過去数カ月間に確立されたレジスタンスゾーン81.44-83.48を上方ブレイクできなかった流れが引き継がれているようだ。ローソク足パターンが形成されて以来、価格は一段安となり、陰の包み足が確認された。
また、RSI(相対力指数)で弱気のダイバージェンスに転じたことで、上昇の勢いが弱まっていることも確認された。しかし、これまでのところ、価格は6月からの上昇トレンドラインを上回る水準で推移している。さらに、50日移動平均線が100日移動平均線を上回る強気のゴールデンクロスも維持されている。そのため、テクニカルバイアスが弱気に傾くには、価格のさらなる下降が確認される必要がある。



原油相場 日足チャート
資料: TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。