※2023年8月18日11時32分更新
原油、WTI、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場のアップデート



17日の上昇にもかかわらず、今週のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物はこれまでのところ、3.5%下落している。このままだと、週間下落率は5月上旬以来最大となるだけでなく、7週間続いた連勝記録もストップすることになる。これを受けて、個人トレーダーは強気に転じ始めている。トレーダーのポジション状況は、しばしば逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)で確認できる。この点を考慮すると、原油先物相場はさらに下落するリスクがあるのだろうか?
原油相場のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、原油を取引する個人トレーダーの約47%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。過半数がネットショートに傾いているため、この先も強気の逆張りバイアスが有利である。しかし、ネットショートのポジションを昨日と先週で比べると、それぞれ9.04%、18.62%減少している。現在のセンチメント(ポジション状況)は売り持ちに傾いているものの、最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、原油相場はまもなく下落に転じる可能性がある。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -10% | 10% | 3% |
週次 | -14% | 23% | 8% |
下図の日足チャートを見ると、WTI原油先物は6月を始点とする短期上昇トレンドラインの下方ブレイクアウトが確認されている。そのため、目先は弱気なテクニカルバイアスが意識されている。しかし価格は、フィボナッチ・リトレースメントの中間点である78.66という重要なサポートのすぐ上にとどまっている。この水準が維持されれば、81.44-83.48の変曲ゾーンに再び焦点が置かれることになる。
直近の下げは、短期的な下降バイアスを強調するローソク足パターンである陰の包み足(抱き線)の示現に続く動きだということに留意したい。下げ幅を拡大すれば、50日移動平均線と100日移動平均線に意識が向く。少し前、両移動線は強気のチャートパターンであるゴールデンクロスを形成し、テクニカルバイアスがより上向きになった経緯もあるため、弱気見通しの確信を強めるには、価格はさらに下落する必要がある。



原油 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。