※2023年8月17日10時55分更新
カナダドル、米ドル/加ドル、テクニカル分析、個人トレーダーのポジション状況 – IGCSによるアップデート



16日のニューヨーク外国為替市場で、カナダドルは対米ドルで続落した。金融市場が政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の上昇を織り込んだことが背景にある。最近の米ドル/カナダドルの上昇に対し、個人トレーダーは(米ドルの)売り持ちを増やすことで対応している。このことを鑑みると、カナダドルは米ドルに対し、この先も下落し続けるのだろうか? 個人トレーダーのポジション状況は、しばしば逆張り指標として機能するIGクライアントセンチメント(IGCS)を見ればわかる。
米ドル/加ドルのセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、米ドル/カナダドルを取引する個人トレーダーの36%のみがネットロング(米ドルを買い持ち)にしている。買い持ちは、5月下旬以来の低水準まで落ち込んでいる。現在、トレーダーのポジションは大半がネットショートに傾いているため、価格は上昇し続ける可能性がある。また、ネットロングのポジションを昨日と先週で比較すると、3.81%、17.66%それぞれ減少している。このように、現在のセンチメント(ポジション状況)および最近の変動(日次、週次でのポジションの変化)を考慮すると、米ドル/カナダドルの逆張り取引バイアスはさらに強気(カナダドルは弱気)に傾いていると考えられる。
テクニカル分析入門
市場センチメント
推薦者: Daniel Dubrovsky
カナダドル 日足チャート
下図の日足チャートを見ると、米ドル/カナダドルは3月を始点とする下降トレンドラインの上方ブレイクが確認されている。これにより、強気のテクニカルバイアスが強まっている。この水準からは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.3568が当面のレジスタンスとなる。このレジスタンスからさらに上値追いの展開が確認されれば、4月の高値1.3668を上回れるかどうかが焦点となる。
下降に転じた場合は、当面のサポートはフィボナッチ・リトレースメント水準の中間点である1.3477となろう。そのすぐ下にはかつての下降トレンドラインがあり、これが新たなサポートとして機能するかもしれない。一方、トレンドラインを割り込み下落が続くと、テクニカルバイアスは弱気に傾き、1.3093-1.3139のサポートゾーンを再び試す可能性が出てくる。
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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