カナダドル、米ドル/カナダドル、原油、テクニカル分析、個人トレーダーのポジショニング -今週のセンチメント



カナダドルは最近、原油先物相場の下落と歩調を合わせるように、米ドルに対して弱含みで推移している。カナダドルは時に、原油先物と相関する動きとなることがある。 しかし、IGクライアントセンチメント(IGCS)によると、米ドル/カナダドルを取引する個人トレーダーは、カナダドルを売るのではなく、ネットショート(すなわち、カナダドルを買い持ち)している。一方、原油先物はネットロング(原油先物を買い持ち)となっている。IGCS は時に逆張り指標として機能する。それを鑑みると、カナダドルおよび原油先物相場はこの先、さらに下落することになるのだろうか。
米ドル/カナダドル センチメント見通し - 強気
IGCSによると、米ドル/カナダドルトレーダーの約40%がネットロング(米ドルを買い持ち)している。ネットロングのポジションは昨日と先週に比べ、それぞれ 7.72% と 0.99% 減少している。そのため、多くのトレーダーは弱気バイアスを支持していると言え、米ドルがカナダドルに対して上昇し続ける可能性を示唆している。このことを念頭に、現在のセンチメントと最近の持ち高の変化を考慮すると、米ドル/カナダドルは強気の逆張り取引バイアスが強まっていると考えられる。

日足チャート
カナダドルは米ドルに対し、7月以来の安値水準に位置しており、1.3154 - 1.3224のサポートエリアに接近している。これを割り込むと、2020年9月から11月に付けた安値水準が視野に入る。同年11月の安値水準は、1.3320 - 1.3421のレンジである。上昇に転じた場合は、8月からの短期上昇トレンドラインに注視されたい。反発の可能性がある。一方、下値では1.3052 - 1.3082のサポートゾーンを割り込むと、1.2895が意識されるだろう。




資料:Trading View
原油先物 センチメント見通し - 弱気
IGCSによると、個人トレーダーの約8割が原油先物をネットロングしている。このように、ほとんどのトレーダーが強気バイアスに偏っていることから、原油先物相場はこの先も下落が続くと予測できる。ネットロングのポジションが昨日と先週に比べ、それぞれ7.69%と19.38%増加していることも、その予測が正しいとの見方を支えている。このことを念頭に、ポジショニングの状態を鑑みると、原油先物相場はさらに下落するためのモメンタムを蓄えていると警告しているように見える。

日足チャート
原油先物価格は、8月上旬の安値まで引き戻されている。50日単純移動平均線(SMA)が上値抵抗線として維持される中、92.956 - 95.110の変曲点ゾーンを一旦、上抜けたものの、ブレイクアウトの確証が得られなかった流れを引き継いだ。直近のサポートは、2021年10月時の高値である85.387のように見える。これを下回れば、フィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準76.787が意識されよう。それ以外では、下降トレンドを復活させる可能性がある20日および50日SMAの水準を注視したい。




資料:Trading View
* IGクライアントセンチメントチャートとポジショニングデータは2022年9月6日付レポートより引用
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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