テクニカル分析による英ポンド相場見通し:英ポンド/米ドル、ユーロ/英ポンド、英ポンド/円
第3四半期に入り、英ポンドの見通しは混沌としている。英ポンドは、さまざまな通貨に対する金利差の拡大によって下支えされるはずだが、もし景気後退懸念が強まれば投資家たちに敬遠されるだろう。英ポンド/米ドル、ユーロ/英ポンド、英ポンド/円など、2~3の英ポンドの通貨ペアは利益を見込める取引のセットアップになっており、チャンスがある。
英ポンド/米ドル – 押し目がチャンスになると予想
英ポンド/米ドルは昨年9月下旬以降、安値と高値の切り上げを繰り返し、上昇トレンドを維持している。急落した安値の1.0354からの上昇のほとんどは2022年に起こったが、今年の動きは若干予測しやすくなっている。売りは1.2447付近まで広くサポートされるが、1.3000近辺までレジスタンスはほとんどない。英ポンド/米ドルは今後数週間、この1.2447から1.3000のレンジ内で取引される可能性があり、この間、レンジ取引をするトレーダーにはチャンスとなるだろう。



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英ポンド/米ドル 日足チャート

出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー
ユーロ/英ポンド – もうひと下がり?
ユーロ/英ポンドは6月半ばに10カ月ぶりの安値を付けた後、第3四半期に入り、その下落から戻ろうとしている。過去2カ月にわたる下降トレンドは、高値と安値の切り下げを定期的に繰り返している。ユーロ/英ポンドは0.8500のすぐ上のサポートラインを懸命に維持しようとしており、これを下抜けた場合、0.8340が次のサポートラインの水準となる。0.8720にあるかつてのサポートラインは、今後数週間の妥当なレジスタンスラインとして機能するだろう。
ユーロ/英ポンド 日足チャート

出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー



英ポンド/円 – 買われ過ぎの領域に入るか?
第2四半期のFXでの圧倒的な勝者のひとつは、英ポンド/円の買い取引だ。この通貨ペアは4月初めから11%上昇しており、現在は2015年12月以来の水準か、またはそれに非常に近い水準で取引されている。ハト派の日銀とますますタカ派になった英中銀というファンダメンタルズの状況が、これまでの動きを後押ししており、この動きはまだ続く可能性があるため注意が必要だ。日足チャートではさらなる上昇を示す上昇フラッグが形成されているが、日銀は円安が行き過ぎたと感じた場合に口先介入をおこなうというこれまでの前例がある。この通貨ペアのボラティリティは依然として高く、わずか4日間で174円の安値から182円の高値まで上昇したことがあるが、日銀のいかなる発言も英ポンド/円を急激に下落させる可能性がある。172.00から174.00付近がサポートとなる一方で、186.35と188.81が注意すべき重要なレジスタンスラインとなる。
英ポンド/円 日足チャート

出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー