※2023年4月18日18時21分更新
豪ドル/米ドル、豪ドル - 値動き



オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が公表した4月4日に開かれた理事会の議事要旨がタカ派的なトーンだったことに加え、中国の国内総生産(GDP)が予想を上回ったことは、対米ドルでの豪ドルの下支え材料となる可能性がある。
4月4日開催のRBAの議事要旨によると、理事会メンバーはインフレ率が「依然として高すぎ、労働市場が非常にひっ迫している」とし、25ベーシスポイント(bp)の追加引き上げを検討したことがうかがえる。理事会はまた、人口増加と賃金上昇が予想以上に進んでいることを考慮し、利上げを一時停止することを選択したとしている。
中国GDPと世界経済のコンセンサス成長予測
作成:Excel使用、資料:ブルームバーグ
しかし、「その後の理事会で金融政策の引き締めが必要になる可能性があることを明確にすることが重要だった」とし、RBAが引き締めの終了はまだ先と考えていることがうかがえる。今の市場の関心は、4月26日にオーストラリア統計局が発表する今年1-3月期の消費者物価指数(CPI)である。インフレ圧力が継続すれば、5月2日に開催されるRBA理事会で利上げが実施される可能性は高まる。市場では、RBAのオフィシャルキャッシュレートが8月までに3.73%(現在3.6%)になると予想されており、17日時点の3.67%から上昇している。
為替の投機的ポジション
作成:Excel使用、資料:ブルームバーグ
さらに、18日アジア時間の朝に中国国家統計局が発表した今年1-3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.5%増となり、予想の4%増、前期の2.9%増をともに大きく上回った。3月の鉱工業生産は前年同月比3.9%増加し、2月の2.4%増から加速した。予想は同4%増だった。3月の小売売上高は前年同月比10.6%増と、予想(同7.4%増)、2月(同3.5%増)をともに大幅に上回った。一方、1-3月期の固定資産投資は前年同期比5.1%増と、予想(同5.7%増)、2月(同5.5%増)をともに下回った。
豪ドル/米ドル 240分足チャート
作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
中国の経済指標はここ数週間、予想を上回っており、今月の中国のエコノミックサプライズ指数は、少なくとも2014年以来の高水準を記録した。これは、中国経済再開によるプラスの波及効果を反映している。中国はオーストラリアの最大の輸出相手国であるため、中国の経済成長見通しの改善はオーストラリアの成長見通しを押し上げる可能性がある。豪ドルの投機的なポジションはショートであり、政策金利が引き上げられた場合は、ショートポジションの一部を解消するきっかけとなりそうだ。
豪ドル/米ドル 日足チャート
資料:TradingView
テクニカルチャートでは、豪ドル/米ドルは今月、3月下旬の安値0.6625に位置するかなり強いサポートを上回った水準で推移している。しかし価格は、4月上旬の高値0.6795とほぼ一致する200日移動平均線付近の手強いレジスタンスに上値を抑えられている。豪ドル/米ドルの見通しを改善させるには、0.6800前後の天井を突破する必要がある。
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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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