※2023年5月30日15時07分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、ボリンジャーバンド、フィボナッチ、ボラティリティ -トーキングポイント
- 豪ドルは先週、レンジをブレイクしたが、下げは一服しているように見える
- 4月の豪建築許可件数は軟調な結果となったが、豪ドルへの影響は限定的
- テクニカル指標の動きが、豪ドルの次の展開を示す可能性がある



30日アジア時間午前のオーストラリアドル相場は、いくつかの豪経済指標が軟化したことを受け、下落した。4月の豪建築許可件数は前月比8.1%減となり、予想(同2%増)、事前予想(同1.0%減)をともに下回った。
これらのデータは、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が来週の理事会で政策金利を据え置くという金利市場の見方を支えることになりそうだ。
豪ドル/米ドルのテクニカル分析
豪ドル/米ドルは先週、3カ月間続いた0.6565-0.6818のレンジを下方ブレイクし、6カ月ぶりの安値0.6490を付けた。
このレンジの下限ラインを割り込む前、豪ドルは何度か上限ラインをブレイクしようと試したが、失敗に終わった。このような偽りのブレイクは、レンジ相場で勝負しようとするトレーダーにとっては、フラストレーションが溜まるものである。
また、21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの下限を下回る動きも見られた。
このような動きは、ボラティリティ・ブレイクアウトとみなされることがあり、このような動きの後の値動きは、短期的な方向性を示す手がかりとなる。
価格がバンドの外側にとどまる場合、その方向にモメンタムが進展している(今回の場合は弱気である)ことを示唆している。
しかし、バンドの内側で取引を終えた(終値を付けた)場合は、弱気の動きが一服している、または反転している可能性を示している。豪ドル/米ドルは先週金曜、バンドの内側に戻って引け、今週は小幅ながら上昇して始まった。



明らかなのは、ボリンジャーバンドの幅が広がっていることからも分かるように、実現ボラティリティが高まっているということである。
アット・ザ・マネー(At The Money)のインプライド・ボラティリティ・オプション1カ月物価格を見ると、相場はほとんど動かず、現在10%をわずかに超える水準で取引されている。これは、為替市場が豪ドルのこの下落に対して過度に懸念していないことを示唆している。
サポートは、直近の安値0.6490となる可能性がある。さらに下降すると、過去の安値0.6387およびその近くに位置するフィボナッチ水準0.6381がサポートになり得る。このフィボナッチは、安値0.6170から高値0.7158までの動きのフィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準に当たる。
上値では、近接する0.6565と0.6575のブレイクポイント、または過去の高値0.6675と0.6710がレジスタンスとなる可能性がある。さらなる上昇局面では、0.6780-0.6820がより重要なレジスタンスゾーンとなる。このエリアにはいくつかの過去の高値とブレイクポイントが含まれている。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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