AUD、豪ドル、豪ドル円、AUDJPY、AUDNZD、AUDUSD、インフレ、金融政策、RBA―トーキングポイント



7月4日にオーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は金融政策決定会合を開催する。前回・前々回と利上げを実施してきた中、今回の会合でも利上げが有力視されていた。しかしながら、28日公表の月次インフレ率が市場予想を大幅に下回る伸びであったため、今回会合での利上げ予想が大きく後退している。しかしながら、月次インフレ率は大きく変動することがあり、インフレ鈍化が進んでいない可能性がある。今回会合での利上げの有無、そしてその後の金融政策見通しが豪ドル相場の大きな変動要因になるだろう。

豪ドル/日本円の見通し
6月に入り豪ドル高円安トレンドが加速し、16日以降、継続パターンである下降ウェッジパターン内で推移していたが、30日にパターンを上抜け、豪ドル高円安トレンドの再開を示唆している。RSIは一時過熱感を示す80近くまで上昇していたものの、61まで低下しており、過熱感は和らいでいる。下降ウェッジパターン幅からは98.32円への豪ドル高円安が視野に入る。
豪ドル日本円日足チャート

資料:Trading View
豪ドル/米ドルの見通し
RSIは50割れに転換し、豪ドル安米ドル高トレンドへ転換したことを示唆している。MACDラインも下向きかつ、シグナルラインを下回っており、RSI同様豪ドル安トレンドを示唆している。1豪ドル当たり0.65639米ドルでサポートされるかに注目。下方ブレイクすると、0.64582(豪ドル安)が視野に入る。
一方、RBAが今回会合での利上げや今後の利上げ継続を強く示唆した場合、豪ドル高が進展する可能性がある。豪ドル高が進展した場合の上値の目処として、2月から3月にかけての動きに基づくフィボナッチリトレースメント38.2%水準の0.67907まで上昇する可能性がある。
豪ドル/米ドル日足チャート

資料:Trading View
豪ドル/NZドルの見通し
豪州とニュージーランドの10年利回り格差は、一時に比べ縮小したものの、依然として利回り格差は大きい(NZの10年債利回りが豪州10年債利回りと比べて高い状況)。今回会合での利上げに関しては不確実性があるものの、RBA(豪州中銀)の金融引き締め継続に伴い、10年債利回り格差縮小(豪州10年債利回りがNZ10年債利回りと比べて相対的に上昇)、豪ドル高NZドル高進展を見込む。心理的節目である1豪ドル当たり1.10NZドル(豪ドル高NZドル安)が視野に入る。
豪ドル/NZドルと豪州・NZ10年利回り差

資料:Trading View



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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著